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全学をあげてのオペラ公演までの道のりは約10ヶ月。
オーディションで役を得た学生も、合唱で舞台を支える人も、プロの力を借りた本格的な公演を経験することで、オペラの魅力を肌で感じ、それぞれが大きく成長していきます。

先生からのメッセージ

集団で何かを作り上げる経験が学生を大きく成長させます。
片岡 啓子 教授/声楽主任
オペラ定期公演の特徴は、附属高校や短大・大学・大学院、研究員から卒業生、教員にいたるまで、学園をあげて取り組んでいることです。
オーディションで選ばれた学生はソリストとして、そうでない学生も合唱として舞台を支えます。
稽古の最初のころはとても緊張するようですが、演出のアドバイスを受けて、本番は良く声が出るようになり、その成長ぶりは目を見張るものがあります。
何より、みんなで力を合わせて一つのものを作り上げる作業そのものが、学生たちの人生の糧になってくれると信じています。
公演に参加することであらためてオペラの魅力を知りました。
伊藤 花純さん(4年) 声楽専攻

前回の「魔笛」公演には合唱で参加しました。舞台づくりに参加すると、あの華やかなステージは、衣装や照明、演出など多くのプロフェッショナルの力によって成り立っていることが、よく理解できます。私もオペラはこうして生まれるのだということを、目に焼き付けることができました。特に、合唱は5日間の全公演に出演したので、よりたくさんの人たちと共演でき、動きや表情をつける勉強になります。音楽家としてのマナーをふくめて、公演から学ぶことはたくさんありました。
オペラはストーリーと音楽がともない、たくさんの人の技術や感性が積み重なってできる芸術です。そのなかで湧き出てくる感情を歌で表現できることが、最大の魅力だと思います。

将来はプロの舞台で、憧れの歌手と共演することが夢です。
木村 優太さん(4年) 声楽専攻

前回の公演では「魔笛」の僧侶役を努めました。オーディションでは先生方を目の前にして、とても緊張しましたが自分を出し切れたと思います。
稽古では、先生方が本番に向けてどう準備していくのかを間近で見ることができ、とても勉強になりました。私が不安になっているとき、さりげなく声をかけてくださって、周りに気を配りながらも自分を整えられる凄さを実感。本番の舞台はすべてが輝いていて、高校時代に参加した時とは見え方が違いました。また、ここに立ちたいという思いとともに、将来はプロの舞台で、憧れの歌手と共演するという夢をみつけました。オペラ公演はその貴重なステップです。

オペラ公演が出来るまで

1. オーディション 【5月】
公演の演目が決まったら、5月にオーディションの募集開始。
できるだけキャラクターのイメージをつかんで臨むことがポイント。
2. 顔合わせ 【6~7月】
全員が顔合わせするのは7月。ソリストはもちろん、装置・照明・衣装などを手がけるプロの方たちも集合します。
3. 音楽稽古 【8~9月】
楽譜を見ながら、相手役と合わせて、音楽を仕上げる「音楽稽古」。
先生方は夏休みから音楽稽古に取り組み、学生は秋口から練習に参加します。
4. 指揮者と稽古 【10月】
音楽稽古がある程度進んだら、指揮者を招いて、本番に近いテンポなど、音楽づくりをします。
5. 立ち稽古 【12月】
「立ち稽古」では演出家がどのような演技をしてほしいのか指示を出します。歌い手はそれに従って演技をしながら歌う練習をします。
6. 通し稽古 【1月】
全体の流れを把握するために、全曲を止まらずに通してみます。これを「通し稽古」と呼びます。
7. オーケストラ合わせ 【本番1週間前】
ピアノ伴奏で行われてきた稽古から実際にオーケストラの伴奏と合わせて稽古します。オーケストラも教員や研究員、OB、OG、学生など東邦音楽大学の総力を結集。
8. 装置設営 【本番3~4日前】
公演を行うホールに、大道具やパネルや照明などが入り、本番の舞台を作っていきます。
9. 場当たり 【本番直前】
衣装を着て化粧もして、舞台に立ちます。練習してきたことをしっかりだせるかさらに緊張が高まる瞬間。
10. ゲネプロ 【前日】
公演を行うホールで、照明や幕もつけ、本番と同じように歌い演技することを「ゲネラルプローペ(総練習)」、ゲネプロと言います。