全学をあげてのオペラ公演までの道のりは約10ヶ月。
オーディションで役を得た学生も、合唱で舞台を支える人も、プロの力を借りた本格的な公演を経験することで、オペラの魅力を肌で感じ、それぞれが大きく成長していきます。
前回の「魔笛」公演には合唱で参加しました。舞台づくりに参加すると、あの華やかなステージは、衣装や照明、演出など多くのプロフェッショナルの力によって成り立っていることが、よく理解できます。私もオペラはこうして生まれるのだということを、目に焼き付けることができました。特に、合唱は5日間の全公演に出演したので、よりたくさんの人たちと共演でき、動きや表情をつける勉強になります。音楽家としてのマナーをふくめて、公演から学ぶことはたくさんありました。
オペラはストーリーと音楽がともない、たくさんの人の技術や感性が積み重なってできる芸術です。そのなかで湧き出てくる感情を歌で表現できることが、最大の魅力だと思います。
前回の公演では「魔笛」の僧侶役を努めました。オーディションでは先生方を目の前にして、とても緊張しましたが自分を出し切れたと思います。
稽古では、先生方が本番に向けてどう準備していくのかを間近で見ることができ、とても勉強になりました。私が不安になっているとき、さりげなく声をかけてくださって、周りに気を配りながらも自分を整えられる凄さを実感。本番の舞台はすべてが輝いていて、高校時代に参加した時とは見え方が違いました。また、ここに立ちたいという思いとともに、将来はプロの舞台で、憧れの歌手と共演するという夢をみつけました。オペラ公演はその貴重なステップです。