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講習会・セミナー

第1回 東邦声楽セミナー報告

講座当日のスケジュール 平成25年8月24日(土) 会場:文京キャンパス

10:00~10:20 オープニング 学長:三室戸 東光/声楽主任:片岡 啓子

10:30~12:00 講座Ⅰ 講師:大島 洋子
「美しい日本語で日本歌曲を歌いましょう」

13:00~14:30 講座Ⅱ 講師:片岡 啓子
「イタリア歌曲基礎講座」~日本人が特に気をつけたいイタリア語発音~

10:30~15:30 レッスン

15:45~16:45 懇親会

待望の第1回東邦音楽大学主催「東邦声楽セミナー」が開催され、声楽を学ぶ人に関心の高いテーマで2つの講座が開かれました。多くの参加者で大盛況を呈したセミナーを振り返って、講座を担当された片岡啓子先生と大島洋子先生にお越しいただき、当日の様子や感想をお伺いしました。


――7年前から開催していて大好評の「東邦ピアノセミナー」に続き、今回多くの声楽関係者の期待に応えて、初めての声楽セミナーが開催されました。セミナーに込めた想いや意義をお聞かせいただけますか。

片岡:
声楽セミナーを開きたいという思いは以前からありましたが、ようやく叶えることができました。自らの身体を楽器とする声楽は、年齢や環境に左右されやすく、自身の経験や積み重ねが直接的に投影されます。そのためか、音楽を指導する方々から「疑問などを解決する機会があったら」という要望も多く寄せられていました。たとえば新入生募集のために学校訪問でお話しをお伺いすると、先生方から「高校生を対象としたオープンキャンパスや進学ガイダンスはあるけれど、大人が声楽を理論立てて知ることのできる場が少ない。私たち自身も学べる機会があるとうれしい」という声が寄せられることも多々あります。そうした声が大きな後押しともなり、音楽を携わる人々に可能性を広げるヒントや新たな発見の機会となるよう、今夏初めて開講に踏み切りました。

大島:
「歌」というと、声を出せば誰でも簡単に歌えるものと思われています。でも、他の楽器の演奏家が長年かけてテクニックを磨き、自分の音楽をつくっていくのと同じように、声楽家は自分の身体が楽器ですから、身体のしくみを知り、どういうふうに使っていくかを理解する必要があります。受講者のみなさんに「歌曲ってこんなふうに歌うんだ」、「言葉ってこんな風にあつかうんだ」、「身体ってこんなふうに使うんだ」と実感していただき、これまで勉強されてきたことにプラスになればいいと思いました。

――先生方に講座の内容と目的をお聞きしたいと思います。「美しい日本語で日本歌曲を歌いましょう」の講座Ⅰを担当された大島先生からお願いします。

大島:
私は長く声楽を教えていますが、日本の声楽教育はなぜかイタリア歌曲から入ります。日本語は難しいからという理由で。考えてみれば、イタリア語は外国語ですから、誰もが口の開き方などから学習し、一つひとつの言葉に対して正しい母音を一からつくっていきます。でも日本語の場合は、幼少期から耳伝えで習得するでしょう。つまり、親が話す発音をなんとなく学習して身につけているので、発音の学びが曖昧になり、母国語だからこそ陥る落とし穴がいくつも存在するのです。そこで、あらためて発音できて当たり前と感じられる日本語の母音の発音と身体の使い方を再考察したいと思いました。講座では諸外国の母音との発声方法の違いを、舌の定位置や口腔内の使い方などの比較をしながら、5つの母音を8つの母音表現に細かく分類し、母音の発音の違いを説明しました。さらに、二重母音や半母音などの正しい発音、咽頭から口腔領域、鼻腔、舌や唇の使い方などを図も交えながら、はっきりと聞こえにくい単語を美しく響かせる発語技法を解説していきました。

――では、講座Ⅱ「イタリア歌曲基礎講座」を担当された片岡先生はいかがでしょうか。

片岡:
イタリア語の発音は、そのままローマ字読みすればいいので、日本人にとっては親しみやすい言語だと思われています。でも、そこはやはり外国語で、日本語の母音とはかなり異なることを、私は声楽家として現地に暮らして痛感しました。そこで日本語との響きの違いに着目しながら、日本人が特に注意したい発音のポイントを知り、さらに私の発音を耳で聴き分けながら発声することで、きちんと習得していただこうと思ったのです。一つひとつの単語が歌詞となり、音が乗った場合の発音やアクセントの違いなども説明し、最後に実際に『Santa Lucia』を全員で歌ってもらいました。

――事前にどんな準備をして望まれたのでしょうか。

片岡:
講座のタイトルにもあるように、イタリア歌曲の基礎に立ち返ってお話しがしたかったので、大学時代に自分が使った書籍を引っ張り出してきて、基本的な内容はそこから選んだりしました。初心に戻れて自分自身の勉強にもなりましたね。

――講座を受講された方々の反応はいかがでしたでしょうか。

片岡:
猛暑やゲリラ豪雨などの悪天候が続いていた8月終盤の日曜日でしたが、思いがけないほど多くの受講者に恵まれ、しかもみなさん勉強熱心で、とても積極的でした。私の講座では、途中で参加者を指名して発音をチェックしたのですが、そうした場合も快く実践してくださいましたし、熱心な方から質問も返ってきました。昼食後の13時からの講座なので眠くて辛いのではと心配しましたけれど、全くそんな雰囲気はなく、みんな真剣そのもの。打てば響く感じで、私もやりがいを感じました。それでちょっと欲張りすぎて、時間が足りなくなったのが反省点です。

大島:
若い方から年配の方まで50数名の参加者で賑わい、中には地方で合唱団を指導されている70歳代の方もいらっしゃいました。今回、『夏の思い出』を例に解説をし、何度か全員で合唱したのですが、最後に歌ってもらったときには、言葉がかなり明瞭になっていました。講座を受けて発音のコツがつかめたみたいで、骨格がしっかりしたのですね。明らかに歌が変わる体験をして、喜んでもらえたと思います。日本歌曲は情緒的だから、気持ちで流してしまいがちですが、それでは演奏とは言えません。情緒を残しながらも、きちんとした日本語がメロディーにしっかりと乗っていないと演奏にはならないのです。それを実感してもらえたことがよかったですね。

――心に残るエピソードがあれば、お聞かせください。

片岡:
セミナーが終わった後、アンケートを見ると、さまざまな感想が寄せられていました。「日本語、イタリア語ともに母音統一の大切さをあらためて学んだ」、「あっという間の90分で、もう少し歌いたかった」、「長いブランクの後、また勉強を始めた矢先のセミナーで、今後に生かしたい」、「合唱団での指導に役立てていきたい」など、うれしい感想をたくさんいただきました。

大島:
受講者の中に二期会に所属する声楽家の方が何名かいらしたのですが、「この講座を受講したおかげで、今まで悩んでいたことが解決しました。もうちょっと早く先生に聞いておけばよかった」とおっしゃったのです。声楽をきちんと勉強して積み上げた土台がある人にとっても、意義のあるセミナーになったと思うとうれしさがこみ上げました。また、私が話したことを全てノートに取り、懇親会のときに「これはこんな意味ですか」と質問に来てくれた方もいました。レッスンをした方の一人は、「結婚して声楽からしばらく離れていましたが、また歌いたくなりました」と笑顔で話してくれました。

――最後に感想と今後の抱負をお聞かせください。

大島:
今回は第1回ということで発音などの基礎に徹しましたが、声楽は身体が楽器です。音と言葉と感性があれば歌になるわけではありません。たとえばピアノは、ピアノのボディが鳴っているのです。私たちも同じように身体を楽器として鳴らしていく必要がありますから、次回はその辺まで踏み込んで、正しい身体の使い方を講義できればと思います。どうすればのどに負担なくラクに声が出せるかもお伝えしたいですね。

片岡:
私の講座では、せっかく全国から参加してくれた受講者の方に申し訳ないほど、何度もしつこく発音の練習をしましたので、うんざりされたのではないかと危惧しました(笑)。声楽がイヤになられたら困るので、最後に全員で『Santa Lucia』を歌い、発音を気にしながらも考えすぎず、「あくまで歌は楽しく歌うもの」という言葉で締めくくりました。
第1回で不慣れなこともあって、時間が足りず、実際に学んだことを歌に活かすところまで実践できなかったのが残念です。ただ、声楽を講義形式で学べるこうしたセミナーは少なく、学内外を問わず画期的な試みだと自負しています。今後、さらに多くの方々から注目されるように努めていきたいと思います。



<当日の講座内容>

「美しい日本語で日本歌曲を歌いましょう」
講師:大島 洋子

声楽セミナー:美しい日本語で日本歌曲を歌いましょう

今回は“美しい日本語で日本歌曲を歌いましょう”をテーマに、母音に焦点を当てました。日本人であれば構えずに歌えるはずの日本歌曲が、歌う人によって言葉の聞こえ方が違うのはなぜでしょう。本当に日本語の母音は5つしかないのか、母音の複雑さを見落としているのではないか。母音の影や色に旋律を絡め、それぞれが独自の日本歌曲の世界をつくり上げて行けることをめざしました。

「イタリア語基礎講座」~日本人が特に気をつけたいイタリア語発音~
講師:片岡 啓子

声楽セミナー:イタリア語基礎講座 ~日本人が特に気をつけたいイタリア語発音~

日本人にとってイタリア語はとても読みやすく、親しみやすい言語だと思います。そしてイタリア語は声楽に大変適した言語とも言われています。それはいったいなぜでしょうか。基礎講座では歌う時に日本人が特に注意の必要なイタリア語の発音を探り、何度も発声して日本語との響きの違いを認識してもらい、最後にみなさんがよくご存じのイタリア歌曲『Santa Lucia』を合唱しました。

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